大会長挨拶

第19回日本睡眠歯科学会総会・学術集会
東京医科歯科大学 歯学部附属病院 快眠歯科(いびき・無呼吸)外来 診療科長
大会長 秀島 雅之

 この度 第19回日本睡眠歯科学会総会・学術集会を,令和2年11月21日(土),22日(日)の両日,東京医科歯科大学(東京都文京区湯島)ならびに,隣接の東京ガーデンパレスにおいて開催する予定でしたが,新型ウィルスCOVID-19の世界的蔓延は終息の見通しが立たず,Web開催の運びとなりました.
 今回のメインテーマは,睡眠歯学ならびに医科・歯科連携診療の原点を再考する目的で「原点回眠」としました.特別講演,シンポジウム,各種セミナー,一般口演等を公募,企画しましたので,睡眠歯学を関連分野のみならず,一般社会にも広く周知を図る所存です.
 近年,歯科の閉塞性睡眠時無呼吸症(Obstructive Sleep Apnea; OSA)の口腔内装置(Oral Appliance: OA)療法は,医科のCPAP療法を継続できない症例に奏功する場合もあり,OAの有用性が医科からも評価されつつあります.
 そのため医療機関から一般歯科へのOA作製依頼も増え,歯科医は睡眠学への理解を深め,医科との連携を図ることが必須と言えます.本学会でも一般歯科医の入会は増加しており,今回の学術集会でも幅広く情報交換が行われ,活発な議論が展開されると期待しております.
 OA療法における最も重要な過程は,下顎前方位の設定・調整(タイトレーション)にありますが,平成30年の歯科診療報酬改定に伴い,従来のシート圧接型装置の口腔内装置2の咬合採得の保険算定は不可となり,臨床医は困惑していることと存じます.本学会では従来の咬合採得とは異なる視点で,下顎前方位の計測,最適位の選定を「歯科タイトレーション」と命名し,新規医療技術として保険収載を申請中です.
 本学術集会では,「歯科タイトレーション -OA療法の最適下顎位の再考と保険収載を目指して-」のシンポジウムを企画しましたので,こうした最新の話題についても討論され,情報共有できれば幸いです.
 学術大会の各プログラムは開催当日よりライブ配信され,ライブ配信終了後も12月12日(土)まで視聴可能です.
 多数の皆様のご参加を,心よりお待ち申し上げます.